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企業の水害対策グッズ|止水板・土のうの必要数と選び方【2026年版】

総務・施設管理向け止水板9製品を比較土のう必要数の計算例2026年の新・防災気象情報に対応

公開日: 最終更新日: 文:作業用品ナビ編集部

「台風が来る前に、入口だけでも何とかしておいてくれ」。上司にそう頼まれて止水板や土のうを調べ始めると、種類が多いうえに「何をいくつ買えばいいか」の根拠が見つからず、稟議書の手が止まりがちです。

この記事は、工場・倉庫・店舗・事務所で総務や施設管理を担う方に向けて、水害対策グッズを買う順番と必要な数で整理しました。公的資料とメーカー公表値をもとに、入口幅と想定浸水深から数量を出す計算例まで載せています。

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結論先に答え:会社の水害対策グッズはこの順でそろえる

  1. 1最初にそろえるのは入口の止水。想定浸水深30cm程度までなら、工事不要の止水板と土のうで浸水を遅らせ、排水や移動の時間を稼げる。
  2. 2数量は計算で出す。止水板は「入口幅÷1枚の有効幅」、土のうは「段ごとの袋数の合計+予備2割」。幅2.7m・3段なら約22袋。
  3. 3想定50cm超は“止める”より“上げる・逃げる”が先。書類・PC・電源を上階へ移す段取りから決める。
  4. 4停電・トイレ・従業員3日分の備えまでそろえて、ようやく事業継続の形になる。
  5. 52026年5月29日から防災気象情報は「レベル付き」の名称に。社内ルールは「レベル3警報で止水完了、レベル4危険警報で全員避難」と書き換える。

01企業の水害対策は「止める・逃がす・続ける・戻す」の4層で選ぶ

水害は、地震と違って前日から数時間前に「来る」と分かる災害です。準備の差がそのまま被害額の差になるのはそのため。グッズ選びで迷う一番の原因は、目的の違う道具を同じリストで比べてしまうことにあります。まずは次の4層に分けて、抜けている層がないかを確認してください。

水害対策グッズの4層(商品名をクリックすると商品ページが開きます)
層目的主なグッズ優先度
止める入口・シャッターからの浸水を遅らせる★★★
逃がす人・書類・データを安全な場所へ移す★★★
続ける停電・断水中も最低限の業務と生活を保つ★★
戻す水が引いた後の泥出し・片付け★★

優先度は、浸水想定区域にある事業所を前提にした編集部の目安です。区域の外でも、下水があふれる内水氾濫(次章)は起こります。「止める」と「続ける」は最低限そろえておきましょう。

POINT止水グッズは「浸水ゼロ」の道具ではない

東京都都市整備局の「止水板設置事例集」では、止水板の性能を1時間・1㎡あたりの漏水量で等級分けしています。工事をした固定式でも、少しは漏れる前提。置くだけタイプならなおさらで、排水用のゴムブラシや吸水土のう、重要品を上げる段取りとセットで考えるのが現実的です。

02自社の浸水リスクを10分で把握する(外水・内水・地下)

何をどれだけ買うかは、事業所ごとの「想定浸水深」と「入口の数・幅」で決まります。次の3ステップで、稟議書に書ける根拠をそろえましょう。

  1. 1想定浸水深を調べる国土交通省のハザードマップポータルサイトで事業所の住所を入れ、洪水・内水・高潮の想定浸水深を確認。複数の想定があるときは深いほうを採用します。
  2. 2入口を数えて、幅と地面を測る正面入口、通用口、シャッター、搬入口、地下への階段。幅のほか、段差・勾配・グレーチング・タイルの目地といった地面の状態もメモしておきます。
  3. 3地下・半地下を洗い出す電気室、地下駐車場、半地下の倉庫。ここは止水板より先に、人を上げるタイミングを決めておく場所です。

浸水には、川の水があふれる「外水氾濫」と、下水や側溝が雨を処理しきれずに街中が水につかる「内水氾濫」があります。内水氾濫は川から離れた事業所でも発生。国土交通省の地下空間の浸水対策ガイドラインは、内水氾濫時に水位が毎分20mm上がる想定を置いています。10分で20cm。気づいてから土のうを作り始めても、まず間に合いません。

浸水深ごとに「起きること」の目安

  • 20cm:小学校高学年の子どもは避難が難しくなるというデータがある水深
  • 30cm:車のエンジンが止まり走れなくなる目安。地下空間では行動限界の水深
  • 50cm:流れがあれば徒歩での避難は不可能
  • 70cm:伊勢湾台風の調査で、大人が避難できた水深の上限の目安
出典:国土交通省「地下空間における浸水対策ガイドライン」資料、福井市・西尾市のハザードマップ。数値は目安で、流れの速さや足元の状況で大きく変わります。
想定浸水深別・対策の早見表
想定浸水深考えるべきこと対策の主役該当グッズ
〜10cm低い入口・排水口からの浸入、下水の逆流水のう・吸水土のう
10〜30cm車の移動は30cmに達する前に。地下は退避を開始置くだけ止水板の連結+土のう
30〜50cm床上浸水レベル。徒歩での避難は早めに堰き止め高50cm級の止水板+土のう2〜3段
50cm超1階の設備・在庫は水没する前提で計画止水は時間稼ぎ。上階退避・重要品の移動・電源の確保

地下・半地下がある事業所へ

国土交通省は、地下空間の廊下や居室を避難するときの行動限界水深を30cmとしています。歩きにくさに加え、水圧でドアが開かなくなる水深から決められた数字です。地下の電気室や倉庫は「入口に土のうを積む前に、人を上げる」順番を社内ルールに書いておいてください。

03止水板の選び方:工事不要タイプは「止水高・入口幅・地面」で決まる

止水板には、壁や床に支柱・レールを取り付ける固定式と、置くだけ・組むだけで使える工事不要タイプがあります。東京都都市整備局の止水板設置事例集(2026年7月)を見ると、施工費込みで店舗出入口(幅1,400×高さ550mm)が約18万円、工場出入口のシャッター内側(幅11,000×高さ550mm)が約120万円。性能は高いものの、工事と予算の確保が前提です。

台風シーズンの途中から備えるなら、倉庫に保管しておき前日に並べられる工事不要タイプが現実的な選択肢。ここではその比較に絞ります。

止水性能の物差し「JISの漏水量等級」

止水板の漏水量等級(JIS規格による評価)
等級1時間・1㎡あたりの漏水量使用場所の目安
Ws-6相当1L以下電気室・ポンプ室など、できる限り浸水を防ぎたい場所
Ws-3相当10〜20L機械室・一般家屋など。最も一般的な性能
Ws-1相当50〜200L倉庫・駐車場など多少の浸水を許容できる場所。一般的な土のうよりは高性能

出典:東京都都市整備局「止水板設置事例集」(2026年7月)。Ws-2・4・5相当は省略。

置くだけタイプの多くは、この等級を表示していません。「完全に止める」のではなく、流入量を減らし、ゴムブラシや汲み出しで追いつける量に抑える道具と位置づけて選ぶと、期待外れになりません。

選ぶときの3つのチェック

① 止水高

想定浸水深に対して余裕がある高さか。今回の比較ではBW52の堰き止め高50cmが最も高い公表値。

② 入口幅と連結

入口幅を1枚あたりの有効幅で割り、端数は切り上げ。壁際や角は専用パーツで処理する。

③ 地面

凹凸があると止水効果が下がる可能性をメーカーも明記。グレーチングや深い目地の上は土のうで補う。

工事不要の止水板 9製品の比較

工事不要の止水板・関連パーツ比較(数値はメーカー・販売店の公表値)
製品タイプ止水高・サイズ重さ向く場所
ボックスウォールBW52箱型(水圧で固定)堰き止め高50cm/980×680×530mm6.2kg/個工場・倉庫の大開口、シャッター前
BW52用サイドアタッチメントBW52の端部パーツ商品ページで確認—BW52と壁の取り合い
アイリス止水板 ストレート置くだけ・連結式本体 705×680×615mm4.4kg店舗・事務所の入口
アイリス止水板 内カーブ連結用カーブ本体 620×680×615mm3.2kg入隅・L字の囲い
アイリス止水板 外カーブ連結用カーブ本体 760×680×615mm3.2kg出隅・建物の角
プラバリア 1.6m分パネル連結式1.6m分セット1枚約4kg自動ドア前・通用口
備えあれ板 3枚折り畳みL型高さ約50cm(コンパクト版は25cm)商品ページで確認初期の軽度な浸水、水の誘導
備えあれ板 コーナー角用パーツ出隅120°・入隅135°まで—備えあれ板の角処理
UACJ 水用心 MZTR001アルミ・脱着式商品ページで確認商品ページで確認位置が決まった入口
ボックスウォール BW52 止水板GC-select

大開口・シャッター前の第一候補

ボックスウォール BW52 止水板

980×680×530mm/6.2kg/個

工場・倉庫大開口工具不要

本体に乗る水の圧力で固定する箱型。堰き止め高50cm、1個で幅980mmをカバー(メーカー公表)。2名で10mを約2分で並べられる設計。

GC-selectで価格・在庫を見る →

計算例:幅3.6mのシャッター前をBW52でふさぐ

  • ・必要数:3.6m ÷ 0.98m(1個あたりのカバー幅)= 3.67 → 4個
  • ・壁際の処理:サイドアタッチメントを追加
  • ・破損に備えた予備1個を含めて、本体は計5個
  • ・設置時間:2名で10mを約2分(メーカー公表)の目安なら、4m弱は1分かからない計算

組み合わせて使うパーツ・別タイプ

置くだけタイプに共通する注意

備えあれ板の販売ページには「津波・高潮発生時には設置しない」「風が強いときは重しやロープで建物に固定する」と明記されています。置くだけタイプはどれも、風雨が強まる前に設置を終えておくのが原則です。

止水板の一覧を見るGC-selectで止水板をまとめて比較(サイズ違い・別メーカーも確認できます)

04土のう・吸水土のうの必要数を計算する

止水板のすき間、勝手口、排水口まわりは土のうの出番です。京都大学防災研究所の実験では、高さ300mmまで土のうを積む作業に1人で約6分半、2人で約3分半かかりました。単位高さあたりでは、樹脂製止水板の約11倍の時間。土のうは前日までに作り、積む位置の近くに置いておく道具だと考えてください。

計算例:幅2.7mの通用口を高さ約30cm(3段)でふさぐ

前提:詰めた土のう1袋を長さ40cm・高さ10cmとして計算(同実験の土のうは400×300×100mm・18.0kg)
1段目
2.7m ÷ 0.4m = 6.75 → 7袋
2段目・3段目
6袋・5袋(上に行くほど1袋ずつ減らすピラミッド積み)
合計
18袋 + 予備2割 → 約22袋
重さ
18kg × 22袋 = 約400kg。2人で運ぶなら1人あたり約200kg分の往復

600枚入りの土のう袋なら、この規模の入口で約27か所分。詰める土や砂の調達と保管場所も、袋と同時に決めておきます。自治体が土のうステーションを設けている地域もあるので、所在地の役所のページを一度確認しておくと安心です。

普通の土のう・吸水土のう・大型土のうの違い

土のう3タイプの比較
項目普通の土のう袋吸水土のう大型土のう
準備土・砂とスコップが必要。1袋2〜3分水に約3分浸けると膨らむ重機・クレーンで吊って据える
未使用時袋は軽いが、作り置きは重い薄く軽い(1枚約400gの製品例)袋は軽いが、充填後はトン単位
向く場所入口・勝手口・止水板のすき間すぐ使いたい屋内・排水口まわり資材置場・敷地境界の仮設
注意点土の確保と保管場所「真水用」「海水不可」の製品がある人力では動かせない
該当商品

準備時間・未使用時の重さは、日本建設機械施工協会『建設機械施工』2021年9月号の吸水性土のうの解説記事による。

大型土のうは「重機がある現場」向け

ジャンボ土のうやツートンバッグは、詰めると1袋がトン単位になります。人の手では動かせないため、重機を持つ建設会社や資材置場向けの資材です。事務所や店舗の入口には、普通の土のうか吸水土のうを選んでください。

05警戒レベル別・社内タイムライン(2026年5月からの新しい防災気象情報)

気象庁は2026年5月29日から、河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮に関する情報を、5段階の警戒レベルに合わせた名称へ改めました。これまでの大雨警報は「レベル3大雨警報」になり、レベル4相当として「危険警報」が新設されています。

社内マニュアルの行動基準も、この新しい名称で書き直しておくのが近道。誰が読んでも同じタイミングで動けるようになります。

警戒レベル別・社内でやること(グッズは各リンクから商品ページへ)
タイミング気象情報の例社内でやること使うグッズ
2〜3日前台風情報・早期注意情報担当者と連絡網の確認。止水板・土のうの数量点検、蓄電池の満充電
前日〜半日前レベル2 大雨注意報など屋外資材の固定とシート養生、排水溝の清掃、土のうを入口の近くへ
数時間前レベル3 大雨警報など(高齢者等避難の目安)止水板の設置を完了。1階の書類・PC・在庫を上げ、帰宅の判断を出す
発表時レベル4 大雨危険警報など(避難指示の目安)全員避難。建物の上層階への退避を含む。設置作業はもう行わない
—レベル5 特別警報(緊急安全確保の目安)災害が発生または切迫。命を守る行動だけに集中する—

気象庁は、レベル3やレベル4の情報が出たらキキクル(危険度分布)や河川の水位情報で状況を確かめ、早めに避難するよう呼びかけています。避難先は指定避難場所に限らず、川や崖から離れた近くの頑丈な建物の上層階も選択肢の一つ。

台風前日の30分チェックリスト

養生と飛散防止に使うシート

前日の作業でいちばん量を使うのがシート類です。ロールは必要な長さで切り出せ、大判は屋根や大型資材の被覆に向きます。厚みの規格は#3000のほうが#2000より厚手。屋外で数日以上かける場所には#3000を選ぶと破れにくくなります。

シート類の使い分け
製品規格使いどころ
ブルーシートロール 1800mm1800mm×100m・#3000機械・資材の養生をまとめて。必要な長さで切る
ブルーシートロール 900mm900mm×100m・#3000扉の下・巾木まわりなど細長い部分
ブルーシート 10m×10m #300010m×10m・#3000・2枚屋根・大型資材の被覆
ブルーシート 10m×10m #200010m×10m・#2000・2枚入り短期間の養生・仮置き資材のカバー
GENTI サンラップシート SSSSサイズ用途と寸法は商品ページで確認

06停電対策:ポータブル蓄電池は「何を何時間」で容量を決める

浸水しなくても、台風による停電は起こります。蓄電池は機種名から選ぶのではなく、止めたくない機器の消費電力から逆算するのが確実な方法です。

必要な容量の出し方

必要容量(Wh)≒ 消費電力(W)× 使う時間(h)÷ 0.8

0.8はインバーターなどの変換ロスを見込んだ安全側の係数(編集部の目安)

計算例:事務所の「最低限の業務継続」をまかなう場合
機器消費電力 × 台数 × 時間電力量
ノートPC50W × 3台 × 8時間1,200Wh
Wi-Fiルーター・回線終端装置15W × 12時間180Wh
LEDスタンド照明10W × 2台 × 6時間120Wh
スマートフォンの充電1台15Wh × 10台150Wh
合計1,650Wh ÷ 0.8約2,060Wh

必要量は約2,060Wh。容量2,304WhのAC200PLなら1台で収まり、拡張バッテリーB210P(2,150Wh)を足せば翌日分まで見込めます。電気ポットや電子レンジのように熱を出す家電は消費電力が一桁違うため、使うなら別枠で計算しておいてください。

蓄電池8機種の容量比較

ポータブル蓄電池・拡張バッテリー(容量はメーカー・販売店の公表値)
製品容量特徴向く使い方
AC2P230.4Wh小型・定格300Wスマホ・無線機・ライトの充電
AC70P864Wh定格1,000W受付・小規模事務所のPC数台
AC240P1,843WhIP65の防塵防水・約33kg屋外や湿気の多い現場での据え置き
AC200PL2,304Wh拡張バッテリーで増設可事務所の業務継続の中核
拡張バッテリー B80P806Wh拡張用(対応本体は要確認)既存機の容量の上乗せ
拡張バッテリー B210P2,150WhAC240P・AC200PLの増設用長時間の停電への備え
タメルラボ TL-1000NE1kWh級キャリー型(TL-1000Nは1,036Wh・9.5kg)拠点間を持ち運ぶ予備電源
タメルラボ TL-2000NE2kWh級キャリー型(TL-2000Nは2,072Wh・16kg)避難先・別フロアへの移動を前提にした電源

「防水」の蓄電池でも水没はNG

IP65は「粉じんが入らない」「あらゆる方向からの噴流水に耐える」という保護等級で、水に沈めても使えるという意味ではありません。蓄電池は浸水しない上階に保管し、ぬれた床の上や浸水した室内では使わないこと。感電の危険があります。

姉妹サイト熱中症対策の電源確保とは?(熱中症対策ナビ)停電時に熱中症対策の電源をどう確保するかを、熱中症の視点でまとめています

07従業員と重要書類を守る:防災セット・持ち出しバッグ・トイレ

豪雨で道路が冠水すると、従業員が帰れなくなる事態も起こります。東京都の帰宅困難者対策条例は、事業者に従業員3日分の水・食料などの備蓄を求めています(努力義務)。都外の事業所でも、「人数×3日」はそのまま使える基準です。

事業所全体の備えには、人数単位でまとまった防災セットが便利。個人の持ち出し用は、浸水時に中身がぬれない防水タイプを選びます。重要書類は散らばった状態だと持ち出しに時間がかかるため、耐火・防水バッグに平時からまとめておくのが要点です。

防災セットの一覧を見る人数・用途別の防災セットをGC-selectでまとめて比較

浸水時はトイレが使えなくなる

豪雨のときは下水管が満水になり、トイレや風呂場、洗濯機の排水口から下水が逆流することがあります(北九州市上下水道局)。応急処置は、ビニール袋を二重にして水を半分ほど入れた「水のう」を、便器や排水口の上に置く方法(熊本県八代市の案内)。ただし便器をふさいでいる間、そのトイレは使えません。

そこで必要になるのが簡易トイレです。必要数は1人1日5回前後×人数×日数で見積もるのが一般的で、30人が3日とどまるなら約450回分になります。

簡易トイレの一覧を見る断水・下水の逆流に備えて、人数分をGC-selectで確認姉妹サイト災害用トイレの選び方と備蓄目安(熱中症対策ナビ)災害用トイレの選び方と、備蓄の目安をまとめています

備蓄品の置き場所に困っている場合は、作業用品ナビの災害備蓄ラックの選び方も参考にしてください。

08水が引いた後の作業装備と、水上用品の使いどころ

浸水後の片付けは、泥・ガラス片・釘・汚水が相手の重作業です。足元と体を守る装備から順にそろえます。

足元:先芯入り長靴と防災ウェーダー

先芯入り長靴 ワイルドウルフ(ブラック)GC-select

泥出し・片付け用

先芯入り長靴 ワイルドウルフ(ブラック)

先芯入り片付け

つま先を落下物から守る先芯入りの長靴。浸水後の泥出しや家財の運び出しに。釘の踏み抜き対策が必要なら、靴底の仕様も商品ページで確認してください。

サイズ・型番を選んで価格・在庫を見る

ハンシン BW-72 防災ウェーダー楽天市場

汚水が残る場所の復旧作業用

ハンシン BW-72 防災ウェーダー

防災用復旧作業

汚水や泥が残る床下・敷地での復旧作業向け。丈や素材の詳細は商品ページで確認を。

サイズ・型番を選んで価格・在庫を見る

長靴・ウェーダーは「片付け用」。避難には使わない

浸水した道を歩いて避難するとき、長靴は厳禁とされています。中に水が入ると重くなり、動けなくなるためです。避難にはひもで締められる運動靴を(札幌市の防災ガイド)。ウェーダーも同じ理由で、流れのある水や腰より深い水には入らないでください。

床の泥水を寄せるゴムブラシ

ゴムブラシ(90/120)GC-select

排水・清掃用

ゴムブラシ(90/120)

泥水寄せ

床に残った泥水を排水口や屋外へ寄せる清掃用のゴムブラシ。2サイズあるので、作業場所の広さに合わせて選べる。

サイズ・型番を選んで価格・在庫を見る

片付け作業の熱中症にも注意

9〜10月でも、湿度の高い日の泥出しは体への負担が大きい作業です。休憩と水分補給の時間をあらかじめ決めてから始めましょう。

熱中症で最初にすること(熱中症対策ナビ)→

水辺の作業には救命胴衣を

河川や水路の近くで排水ポンプを据える、土のうを運ぶといった水防作業では、救命胴衣を着けて臨みます。自動膨張式は落水を検知して膨らむタイプで、作業の邪魔になりにくいのが利点です。

膨張式救命胴衣 NQV-Atn型 赤GC-select

水防作業・河川近くの作業用

膨張式救命胴衣 NQV-Atn型 赤

浮力 約11.1kg

TYPE A自動膨張

国交省型式承認のTYPE A・作業用救命衣(販売店表記)。自動膨張式で浮力約11.1kg。河川や水路近くの水防作業に。

GC-selectで価格・在庫を見る →
GC-selectNS-5000/7000用 替ボンベ型番どおりNS-5000/7000用の交換ボンベ。NQV-Atn型の交換ボンベは別型番(販売店表記)なので混同に注意。

POINT交換ボンベは型番で選ぶ

膨張式救命胴衣のボンベは、本体の型番ごとに適合品が決まっています。NS-5000/7000用の替ボンベは、NQV-Atn型には使えません(NQV-Atn型の交換用は別型番と販売店に記載)。使用後や点検時期が来たら、本体の取扱説明書で適合型番を確認してから注文してください。

ゴムボート・オール・船外機用カートについて

3人用のゴムボートやアルミオールは、本来は水上レジャー用品です。周囲が冠水して孤立しやすい立地では、物資を運ぶ補助として備える事業所もあります。ただし、流れのある浸水域や夜間は使わないこと。乗る人全員が救命胴衣を着けること。人の救助は119番と消防の判断に任せること。この3点を守れない運用なら、備えないほうが安全です。

09事業所タイプ別・最初にそろえるセット例と補助制度

ここまでの内容を、規模別のスタートセットにまとめました。数量は第4章までの計算で、入口ごとに調整してください。

止水板の助成と、防災設備の税制

止水板の購入費や設置費を補助する自治体があります。メーカーの案内では、西宮市・吹田市・大田区・古河市・大分市などで制度が確認されています(2026年6月1日時点)。多くは購入・設置前の申請が条件なので、発注の前に所在地の自治体へ確認を。

中小企業なら「中小企業防災・減災投資促進税制」も候補になります。事業継続力強化計画の認定を受け、認定から1年以内に計画に記載した防災・減災設備を取得すると、取得価額の16%を特別償却できる制度。認定の対象期間は2027年3月31日までです(中小企業庁の実施要領)。対象設備と金額の要件は細かく決まっているので、顧問税理士と一緒に確認してください。

Q&Aよくある質問

Q1会社で最初に買うなら、止水板と土のうのどちらですか?

A守る入口が決まっているなら止水板です。京都大学防災研究所の実験では、土のうは樹脂製止水板と比べて単位高さあたり約11倍の設置時間がかかりました。土のうは止水板のすき間や勝手口用に少量を併用する、という組み合わせが現実的です。

Q2止水板の高さは何cmを選べばいいですか?

Aハザードマップの想定浸水深が基準になります。今回比較した工事不要タイプで最も高い公表値は、ボックスウォールBW52の堰き止め高50cm。想定が50cmを超える場合は止水板を時間稼ぎと割り切り、重要品を上階へ移す計画を優先してください。

Q3土のうは何袋用意すればいいですか?

A入口幅を袋1つの長さで割って1段目の数を出し、上の段ほど1袋ずつ減らして合計し、2割の予備を足します。幅2.7m・高さ約30cm(3段)なら約22袋が目安です。

Q4吸水土のうは高潮や海水でも使えますか?

A製品によって異なります。水ピタN型は真水用、土No袋は海水では使用できないと表記されています。沿岸部の事業所は普通の土のうと止水板を基本にしてください。備えあれ板のように、津波・高潮時の設置をしないよう注意書きのある製品もあります。

Q5ポータブル蓄電池は水にぬれても使えますか?

AIP65のAC240Pでも、保護されるのは粉じんと噴流水までで、水没には耐えられません。浸水しない上階に保管し、ぬれた床の上や浸水した部屋では使わないでください。

Q62026年に気象警報の名前が変わったと聞きました。社内マニュアルはどう直せばいいですか?

A2026年5月29日から、大雨警報は「レベル3大雨警報」に変わり、レベル4相当の「危険警報」が新設されました。社内の行動基準を「レベル3で止水完了と重要品の移動」「レベル4で全員避難」のように、レベルの数字で書き直すと判断に迷いません。

✓まとめ:台風前日に慌てないための4ステップ

企業の水害対策は、入口を止める道具だけでは完結しません。浸水を遅らせている間に人と重要品を上げ、停電やトイレの不便をしのぎ、水が引いたら片付けに移る。この流れのどこかが欠けると、そこで事業が止まります。

  1. 1ハザードマップで想定浸水深を調べ、入口の幅と地面を測る
  2. 2止水板は「入口幅÷有効幅」、土のうは「段ごとの袋数+予備2割」で数量を出す
  3. 3「レベル3警報で止水完了と重要品の移動、レベル4危険警報で全員避難」を社内ルールにする
  4. 4停電・トイレ・従業員3日分の備えと、片付けの装備までそろえる

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ご利用にあたって

本記事の数値はメーカー・販売店・公的機関の公表情報(2026年10月時点)にもとづく目安です。価格・在庫・仕様の最新情報は各商品ページで確認してください。止水板や土のうは浸水を完全に防ぐものではありません。避難の判断は、自治体の避難情報と気象庁の防災気象情報に従ってください。けが人が出た場合や命に危険がある場合は、ためらわず119番へ。

参考にした公的資料・メーカー情報

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