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グリースガンとグリースポンプの違いと選び方|詰め方・エア抜きも解説【2026年版】

整備・設備保全向け手動/エア/電動を比較ペール缶・ドラム缶ポンプエア抜きの手順

公開日: 最終更新日: 文:作業用品ナビ編集部

「グリースガンを買い替えたい」「ペール缶のグリースをもっと楽に使いたい」。そう思って調べ始めると、グリースガン、グリスポンプ、ルブリケーター、充填ポンプと似た名前の道具が並び、どれが自分の現場に合うのか分かりにくくなります。

この記事では、グリースガンとグリースポンプの違いを整理したうえで、給脂箇所の数と現場の動力(電気・エア)から選ぶ方法、詰め替えの手順、グリースが出ないときのエア抜きまでをまとめました。仕様はメーカー・輸入元の公表値をもとにしています。

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結論給脂の「量」と現場の「動力」で選ぶ

  1. 1グリースガンはニップルへ注入する手持ち工具、グリースポンプは缶から直接くみ上げて送る装置。通販では手動ガンを「グリスポンプ」と呼ぶ例もあるので、容量と取り付け方で見分ける。
  2. 2給脂箇所が少ないなら手動ガン、多いならエア式・電動式、工場で大量に使うならペール缶・ドラム缶用のグリースポンプが基本の選び方。
  3. 3手動ガンは「詰め方(手詰め・カートリッジ・兼用)」「最大圧力」「1回の吐出量」で比べる。迷ったら兼用タイプが無難。
  4. 4詰め替えが多い現場は、ペール缶に直付けする充填ポンプで手の汚れとエア噛みを減らせる。
  5. 5グリースが出ない原因の多くはエア噛み。エア抜きの手順を覚え、保護メガネと手袋で作業する。

01グリースガンとグリースポンプの違い

どちらもグリースを給脂点へ送る道具ですが、扱うグリースの量と、グリースをどこから取り出すかが違います。グリースガンは数百mL程度のグリースを本体に入れて持ち歩く工具。グリースポンプは、16〜20kgのペール缶や180kgのドラム缶に直接取り付けて、缶のグリースをそのままくみ上げる装置です。

グリースガンとグリースポンプの比較
項目グリースガングリースポンプ
グリースの入れ方本体に手詰め、またはカートリッジをセットペール缶・ドラム缶に直接取り付け
一度に使える量数百mL程度(ヤマダ製の手詰め容量は140〜550mL)缶1本分(16kg〜180kg)
動力手動/エア/電動手動/エアが中心(電動式もある)
向く現場点検の合間の給脂、車両や機械1台ずつの整備工場の生産ライン、整備拠点での大量給脂、詰め替え
代表例

POINT「グリスポンプ」と書かれた手動ガンに注意

通販サイトでは、レバー式の手動グリースガンが「グリスポンプ」という名前で売られていることがあります。缶に取り付けるポンプを探しているのか、手持ちのガンを探しているのか。商品名だけで判断せず、容量(mLかkgか)と取り付け方を確かめると選び間違いを防げます。

グリースポンプにも種類があり、給脂点へ直接送る「給脂用」、グリースガンや専用缶へ詰め替える「充填用」、配管で複数の給脂点へ送る「集中給脂用」に分かれます。選び方は5章と6章で詳しく。

02現場別の選び方早見表:給脂の量×動力で決める

最初に決めたいのは、1回の作業で何か所に給脂するかと、現場で使える動力です。この2つが決まれば、候補はかなり絞り込めます。

現場別・グリース給脂機器の選び方
こんな現場おすすめの方式候補の商品
給脂箇所が少ない。車両や機械を1台ずつ整備する手動グリースガン
固着ぎみのニップル、高い圧力が必要な箇所がある高圧タイプの手動ガン
給脂箇所が多く、コンプレッサーのエアがあるエア式グリースガン
給脂箇所が多いが、エア配管がない電動グリースガンヤマダ EG-400AⅡ(電動)
工場や整備拠点で、ペール缶・ドラム缶から大量に給脂するエア式グリースポンプ
電気もエアもない場所で、まとまった量を給脂する手動グリースポンプ
グリースガンへの詰め替えが毎日のようにある充填ポンプmacnaught J2 ボリュームポンプ
設備に集中給脂の配管がある、またはこれから組みたい集中給脂用の手動ポンプKWK KMPS221(シングルライン用)

どの方式でも、給脂点のニップルの形状に合ったノズルが欠かせません。ガンやポンプを選んだら、8章でノズルとの組み合わせも確かめておきましょう。

03手動グリースガンの選び方:詰め方・最大圧力・吐出量

レバーを握ってグリースを押し出す手動グリースガンは、電源もエアもいらない最も基本的な給脂工具です。選ぶときは次の3点を比べます。

① 詰め方

手詰め専用、カートリッジ専用、兼用の3種類。カートリッジは手が汚れにくく、手詰めはペール缶のグリースを使えて経済的。

② 最大圧力

ヤマダ製の手動ガンでも10MPaから80MPaまで幅がある。古いニップルや詰まりぎみの箇所には高圧タイプが有利。

③ 1回の吐出量

レバー1回で出る量。多いほど早く入るが、少量ずつ入れたい軸受には控えめな吐出量が扱いやすい。

手動グリースガンの比較(数値はメーカー・販売店の公表値)
製品詰め方容量最大圧力1回の吐出量
ヤマダ KH-500S手詰め・カートリッジ兼用手詰550mL/カートリッジ420mL50MPa1.0mL
ヤマダ CH-650LL手詰め・カートリッジ兼用手詰550mL/カートリッジ420mL80MPa1.0mL
KTC グリースガン G500手詰め専用油槽径63mm商品ページで確認0.7cc
Zahren ダブルアクション A488商品ページで確認商品ページで確認商品ページで確認ダブルアクション
ヤマダ 高圧グリースガン HPGG商品ページで確認商品ページで確認高圧仕様商品ページで確認

ヤマダ製の最大圧力は、同社カタログでチャックノズル使用時の値(CH-650LLはCNP-1使用時)。KTC G500の数値は商品名の表記によります。

ヤマダ ハンドグリースガン KH-500S楽天市場

手詰め・カートリッジ兼用の定番

ヤマダ ハンドグリースガン KH-500S

手詰550mL/カートリッジ420mL/最大50MPa

兼用最大50MPa

手詰めとカートリッジの両方に使える定番機。迷ったらまずこのクラスから。

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POINTカートリッジは「油槽径」で適合を確認

カートリッジ式で使うときは、本体の油槽径とカートリッジの径が合っている必要があります。ヤマダのKH-500SやCH-650LLは油槽径59.6mmで、420mLの蛇腹式カートリッジに対応しています。別のメーカーのカートリッジを使うときは、径と長さが収まるかを先に確かめてください。

カートリッジは「蛇腹式」と「筒型」の2種類

カートリッジグリースには、使うほど縮んでいく蛇腹式と、紙やプラスチックの筒に入った筒型があります。ヤマダのカタログによれば、蛇腹式は詰め替えのときに手を汚さず、グリースの無駄も出ないのが利点。同社のエア駆動式AMG-400Nや電動式EG-400AⅡは蛇腹式カートリッジ専用で、筒型に対応するのは一部の兼用モデルに限られます。ガンを買う前に、現場でふだん使っているカートリッジの形式を確かめておくと安心です。

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04エア式・電動グリースガン:大量給脂の手間を減らす

給脂箇所が数十か所を超えると、手動ガンではレバーを握る回数が増え、作業者の手首にも負担がかかります。動力式のグリースガンなら、スイッチやトリガーを引くだけでグリースが連続して出ます。選び方の軸は「現場にエアがあるか、電気があるか」です。

エア式・電動グリースガンの比較
製品動力最大圧力吐出量本体質量
ヤマダ AMG-400N(エア駆動)エア(使用圧0.3〜0.7MPa)28MPa310mL/分2.1kg
ヤマダ EG-400AⅡ(電動)電気(AC100V・定格420W)40MPa72g/分約4kg
TRUSCO TAG508NAB(エア式・カートリッジ専用)エア(カートリッジ専用)仕様は商品ページで確認
TRUSCO TAG508NABTM(エア式・兼用)エア(カートリッジ・手詰め兼用)仕様は商品ページで確認

ヤマダ製の数値は同社カタログ(2026年2月版)より。AMG-400Nはチャックノズルとレギュレーターが標準付属です。

エア式のAMG-400Nは毎分310mLと吐出が速く、本体も2.1kgと軽めです。一方の電動式EG-400AⅡはエア配管がない場所でも使え、最大圧力は40MPa。ヤマダの電動シリーズには充電式のEG-400BⅡもあり、屋外や高所での給脂にはこちらが向きます。どちらも420mLの蛇腹式カートリッジ専用で、手詰めには使えない点に注意しましょう。

05グリースポンプの選び方:缶のサイズ・動力・ちょう度

ペール缶やドラム缶に直接取り付けるグリースポンプは、詰め替えの手間がなく、缶の底までグリースを使い切れるのが利点です。缶の中ではフォロワープレート(押さえ板)がグリースの表面を押し下げ、ポンプが空気を吸い込むのを防ぎます。選ぶときに確かめたいのは次の3点です。

缶のサイズと材質

16〜20kgのペール缶用か、180kgのドラム缶用か。金属缶専用で樹脂缶に対応しない製品もある。

動力

エア式は吐出量が多く連続作業向き。手動式は電気もエアもない場所で使える。

適応ちょう度

ポンプごとに使えるグリースの硬さが決まっている。例:#0〜#2、#00〜#1など。

グリースポンプと周辺機器の比較(数値は輸入元・販売店の公表値)
製品対応する缶動力主な仕様
SAMOA S35P(ペール缶用・エア式)ペール缶エア最大吐出量2,000g/分
SAMOA S35D(ドラム缶用・エア式)180kgドラム缶専用エア(作動圧0.2〜1.0MPa)最高吐出圧60MPa、エア消費量450NL/分、24.0kg、ちょう度#0〜#2
macnaught K5 ビックリューブ専用缶付き手動電気・エア不要
macnaught K6 ミニリューブ缶別売手動小型で持ち運び向き
SAMOA グリースガン SG3007ポンプのホース先端に付けるガンスイベル付き
SAMOA ポンプ用キャリー SG4000ペール缶用ポンプのキャリー缶とポンプをまとめて移動
SAMOA ペール缶用グリースポンプ S35P楽天市場

ペール缶から大量に給脂する工場に

SAMOA ペール缶用グリースポンプ S35P

最大吐出量2,000g/分

ペール缶エア式

最大2,000g/分という吐出量をうたうペール缶用エア式ポンプ(輸入元の説明)。給脂点の多い工場に。

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POINTエア式ポンプは「エアの量」も確認する

エア式のグリースポンプは、コンプレッサーの能力が足りないと本来の吐出量が出ません。S35Dは毎分450NLのエア消費量が公表されています。導入前に、工場のコンプレッサーの吐出空気量と、ほかの機器との同時使用に余裕があるかを確かめておきましょう。

グリースの番手(ちょう度)の見方

グリースの硬さは「番手」で表し、数字が大きいほど硬くなります。硬さを測った値が「ちょう度」で、こちらは数字が大きいほど柔らかいという逆の関係です。ポンプやガンは使える番手の範囲が決まっているため、手持ちのグリースが収まるかを先に確かめておきましょう。

カートリッジグリースの番手とちょう度の例(ヤマダ マイクロマルチグリース)
種類番手ちょう度使用温度範囲
シャーシグリースNo.1310〜340−10℃〜80℃
リチウムグリースNo.2265〜295−15℃〜130℃
モリブデングリースNo.2265〜295−15℃〜150℃

出典:ヤマダコーポレーション グリースガンシリーズ カタログ(2026年2月版)。

適応範囲の例を挙げると、SAMOAのS35Dは#0〜#2、マクノートのJ2は#00〜#1です。ヤマダのCH-650LLはカートリッジでNo.0〜No.2、手詰めではNo.1が適用とされています(販売店の掲載値)。範囲より硬いグリースを使うと、吸い上げや吐出がうまくいかない原因になるので要注意。

グリースポンプの一覧を見るペール缶用・ドラム缶用・手動式のグリースポンプを楽天市場で比較

06充填ポンプと集中給脂用ポンプ:詰め替えと配管給脂を楽にする

グリースガンへの詰め替えは3通り

手詰め式のグリースガンにペール缶のグリースを入れる方法は、大きく分けて3つあります。毎日のように詰め替える現場ほど、③の充填ポンプの効果が大きくなります。

  1. 1ヘラで直接詰める道具がいらない反面、手が汚れやすく、グリースの中に空気やゴミが入りやすい方法です。
  2. 2缶から吸い込ませるグリースガンの筒を缶のグリースに差し込み、ロッドを引いて吸い込ませます。ヘラより空気は入りにくいものの、筒の外側の拭き取りが必要。
  3. 3充填ポンプで送り込むペール缶に取り付けた充填ポンプから、ガンの充填口へグリースを押し込みます。手を汚さず、空気も入りにくい方法です。

マクノートのJ2は、市販の16〜20kgの金属缶に直接取り付けて、グリースガンやK5・K6の専用缶へ詰め替えるための充填専用ポンプです。1ストロークで60cc、最大吐出圧力は4.9MPa、適応ちょう度は#00〜#1(販売店の掲載値)。樹脂缶には対応しない点に注意してください。同じマクノートのJ3は、リザーブタンクへの充填専用とされています。

macnaught グリスポンプ ボリュームポンプ 充填専用 J2楽天市場

ペール缶からの詰め替えを速く・汚さず

macnaught グリスポンプ ボリュームポンプ 充填専用 J2

16〜20kg金属缶/60cc/st/最大4.9MPa

充填専用ペール缶直付け

ペール缶からグリースガンやK5・K6の専用缶へ詰め替えるための充填ポンプ。手を汚さずに大量に詰められる。

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集中給脂用の手動ポンプ

クレーンやコンベヤのように給脂点が高い場所や奥まった場所に散らばる設備では、1台のポンプから配管で各給脂点へグリースを送る「集中給脂」が使われます。手の届きにくい場所へ毎回上がる必要がなくなり、給脂の漏れも減らせる方式です。配管と分配弁の組み方には、1本の主管で送るシングルライン式と、2本の主管を交互に加圧するデュアルライン式があります。

KWK(広和)の手動グリースポンプKMPシリーズは、集中給脂を低コストで実現できる手動式で、小規模の給脂範囲で給脂頻度が少ない場所に向くとされています(販売店の説明)。用途の例はクレーン、工作機械、コンベヤ、空調機用のファンなど。KMPS221はシングルライン用です。既存の配管方式に合うかは、設備の図面や銘板で確かめてから選んでください。

07給脂量を「見える化」する:デジタルグリースガンと流量計

グリースは多ければよいわけではありません。軸受に必要以上に詰め込むと、発熱やシールの損傷につながることがあると一般に言われています。逆に少なすぎれば、潤滑不足で摩耗が進むおそれも。担当者によって給脂量がばらつく現場では、量を数字で確かめられる道具が役立ちます。

給脂量を管理する道具
製品使い方向く現場
ヤマダ GMN-500(デジタル)ガン単体で給脂量をデジタル表示手動給脂の量を記録・統一したい保全現場
SAMOA SG5012(流量計付)ポンプのホース先端で、流量計を見ながら給脂グリースポンプで大量に給脂する工場
SAMOA グリース用流量計 SG1110流量を計る計量器給脂量の管理を後付けしたいライン

POINT給脂量は「機械の取扱説明書」が基準

適切な給脂量と間隔は、軸受の大きさや回転数、使用環境で変わります。まず機械メーカーの取扱説明書や保全基準に従い、その量を道具で正確に再現する、という順番で考えると無理がありません。

08グリースニップルとノズルの合わせ方:合わないと漏れる

グリースが給脂点に入らず横から漏れる原因の多くは、ニップルとノズルの組み合わせです。ヤマダのカタログでは、給脂口の形状を次の3種類に分けて説明しています。

グリースフィッティング(ニップル)の主な種類
種類主な使われ方特徴
ハイドロリックニップルベアリングや軸受など、最も一般的ストレートとアングルがあり、取付場所で選ぶ(JIS B 1575)
ピンタイプ農機・鉄道車両など凹形状の内部に付いており、上部にふたがある場合も
ボタンヘッド土木・建設機械などボタン径に大小があり、スライドさせて接続。口金の選択が必要

出典:ヤマダコーポレーション グリースガンシリーズ カタログ。頭部の寸法はJIS・SAE・DINで共通とされる一方、規格に合わない寸法の製品もあると注意書きがあります。

ハイドロリックニップルには、口金でつかむチャックノズルが一般的です。ノズルが外れやすい、斜めになって漏れるといった悩みには、ニップルにしっかり固定できるロックカプラ(ロック式の口金)が有効。狭い場所や向きの悪い給脂口には、ホースタイプのノズルに付け替えます。

KTC ロックカプラ用アタッチメントセット JAE5K楽天市場

ロックカプラを給脂口に合わせて付け替え

KTC ロックカプラ用アタッチメントセット JAE5K

ロックカプラアタッチメント

ロックカプラ用のアタッチメントセット。給脂口に合わせて付け替えたいときに。セット内容は商品ページで確認を。

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ホースやノズルにも「使える圧力」がある

ヤマダのマイクロホースは常用圧力21MPaと定められており、最大圧力が50MPaや80MPaのガンに付けても、その圧力まで使えるわけではありません。ホースやアタッチメントを付け替えたときは、いちばん低い部品の圧力に合わせて使ってください。

09グリースが出ないときのエア抜きと、安全な使い方

「レバーを握っても手応えがない」「グリースがプスプスと途切れる」。この症状の多くは、グリースを詰めたときに空気が入るエア噛みです。手詰めのときや、カートリッジを交換した直後に起こりやすくなります。

  1. 1エア抜き弁をゆるめる本体のヘッド付近にあるエア抜き弁(ブリーダー)を、少しだけゆるめてください。
  2. 2レバーを数回操作する空気が抜ける音がし、弁の周りからグリースがにじむまでレバーを動かします。
  3. 3弁を締めて試し出し弁を締めたら、ノズルの先からグリースが途切れずに出るかをウエスの上で確認。
  4. 4それでも出ないときノズルやニップルの詰まり、カートリッジのセット不良、ロッド(プランジャー)のロック解除忘れを順に疑ってみましょう。

エア抜き弁の位置や操作は製品で異なります。必ず各製品の取扱説明書に従ってください。

エア抜きの手間を減らしたい場合は、エア抜きのしやすさを打ち出したTRUSCOのスマートエア抜きシリーズのような製品も選択肢になります。カートリッジ専用と、手詰め兼用の2タイプがあります。

高圧のグリースは人に向けない

グリースガンは数十MPaという高い圧力でグリースを押し出します。ヤマダの取扱説明書は、給脂の際に保護メガネと厚手の手袋(革手袋など)を着用すること、グリースが人体に入り込んだり目に入ったりした場合はただちに専門医の診察を受けることを求めています。ノズルを自分や人に向けない、漏れているときは無理に注入しない、の2点も徹底してください。

Q&Aよくある質問

Q1グリースガンとグリースポンプの違いは何ですか?

Aグリースガンは、手に持ってグリースニップルへグリースを押し込む工具です。グリースポンプは、ペール缶やドラム缶のグリースを直接くみ上げて送り出す装置を指します。ただし通販では、手動のグリースガンを「グリスポンプ」と呼んで売っている例もあるため、商品名だけでなく容量や缶への取り付け方で見分けてください。

Q2手詰めとカートリッジ、どちらのグリースガンを選べばいいですか?

A手を汚さず素早く交換したいならカートリッジ式、ペール缶のグリースを安く使いたいなら手詰め式が向きます。両方に使える兼用タイプを選んでおくと、現場の状況に合わせて使い分けられます。

Q3グリースガンからグリースが出ないときは、どうすればいいですか?

A多いのはグリースを詰めたときに空気が入る「エア噛み」です。エア抜き弁をゆるめてレバーを数回動かし、グリースが出てきたら弁を締めます。直らない場合はノズルやニップルの詰まり、カートリッジのセット不良も確認してください。

Q4ペール缶のグリースをグリースガンに詰め替える方法は?

Aヘラで直接詰める、ガンの筒をグリースに差し込んで吸い込ませる、充填ポンプで送り込む、の3通りがあります。詰め替えの回数が多い現場では、ペール缶に直接セットする充填ポンプを使うと手が汚れず、空気も入りにくくなります。

Q5グリースの番手(ちょう度)はどれを選べばいいですか?

Aまずは機械メーカーが指定する番手に合わせるのが基本です。番手は数字が大きいほど硬いグリースです。グリースポンプやグリースガンには使えるちょう度の範囲が決まっているので、たとえば「#0〜#2」「#00〜#1」といった適合範囲に収まるかも確かめてください。

Q6エア式と電動式のグリースガンはどちらがいいですか?

A工場にコンプレッサーのエア配管があるならエア式が手軽で、本体も比較的軽量です。エアがない場所ではコンセント式や充電式の電動タイプが向きます。屋外や高所で使うなら、コードもホースもいらない充電式が便利です。

✓まとめ:給脂の量と動力から逆算する

グリースガンとグリースポンプは、どちらが上というものではありません。扱うグリースの量と現場の動力で使い分ける道具、と考えると選びやすくなります。選ぶ順番を整理すると、次の5ステップです。

  1. 11回の作業で何か所に給脂するか、電気とエアのどちらが使えるかを確かめる
  2. 2少量なら手動ガン、多いならエア式・電動ガン、缶単位ならグリースポンプを選ぶ
  3. 3詰め替えが多ければ充填ポンプ、配管で送る設備なら集中給脂用ポンプを加える
  4. 4ニップルの種類に合うノズルを選び、ホースの使用圧力も確かめる
  5. 5エア抜きの手順と保護具の着用を、作業者全員で共有する

ご利用にあたって

本記事の仕様は、メーカー・輸入元・販売店の公表値(2026年10月時点)をもとにしています。価格・在庫・最新の仕様は各商品ページで確認してください。給脂量や給脂間隔は、機械メーカーの取扱説明書や保全基準に従ってください。

参考にしたメーカー・輸入元の資料

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